研究開発

高強度・高靱性Mo材料の開発

Moは繊維組織を維持できる温度域では高強度・高靭性ですが、1000℃以上の使用で再結晶すると強度・靭性ともに著しく低下する問題があります。
これらを解決する為に、下記手段を用いて材料の使用温度範囲を格段に拡げることに成功しました。
①酸化物分散による再結晶後の結晶粒組織制御(商品名TEM-B)
②炭化物分散による結晶粒界強化および耐熱性向上(新規開発材)

・純Moの組織変化と強度・靭性

【加工材】

加工材

微細・伸長な繊維組織

・室温、高温で高強度

・室温で高靱性

・低DBTT

 

→

1000℃以上での加熱により、再結晶化

【再結晶後】

再結晶後

粗大な等軸組織

・室温、高温で低強度

・室温で低靱性

・高DBTT

※DBTT(Ductile Brittle Transition Temperature : 延性脆性遷移温度)

製品事例

①酸化物分散Mo合金(商品名TEM-B)

Mo中に酸化物を分散させ再結晶後の結晶粒を加工方向に伸長した長大粒組織に制御することにより、低温靭性や高温強度を向上させました。
また耐クリープ特性も飛躍的に向上させたことで、ヒーターや反射板などの高温炉部材やMIM(金属粉末射出成型)製品焼成用の敷板などの用途でユーザーから高い評価を得ています。

酸化物分散Mo合金(商品名TEM-B)

製 法:酸化物分散+強加工+再結晶処理
特 長:低DBTT(-120~-140℃)
:高温高強度(1800℃での最大引張応力がMoの約2倍)

②炭化物分散Mo合金(開発合金)

Mo中に炭化物を分散させ、脆弱な結晶粒界の強化および耐熱性の向上を図ることで低温靭性と高温強度を向上させました。TEM-Bと同様に高温炉部材や焼成用敷板などの用途の他に、押出し用ダイスなどといった高温での強度が要求されるバルク材など三次元素材形状への適用も可能です。

炭化物分散Mo合金(開発合金)

製 法:炭化物分散(一部金属固溶)+強加工
特 長:再結晶温度1400℃
:高温高強度(1200℃での最大引張応力がMoの約6倍)
:再結晶化しても低DBTT(-110~-120℃)