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人工衛星とヒートシンク(放熱基板材料)の関係

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ヒートシンク/ 2019/07/18

私たちの周りには様々な通信機器にあふれています。スマートフォンをはじめ、パソコンやテレビ等々、、、私たちの生活には「通信」とはなくてはならないものになっています。今回は、私たちの「通信」を支える人工衛星と、それを陰で支えるヒートシンク(放熱基板材料)のお話です。

1.そもそも人工衛星って?

人工衛星には様々な種類があります。電波通信を目的とする通信衛星や、自動車のナビシステムやスマートフォンの位置情報を支えるGPS衛星、惑星や銀河などの宇宙の科学的観測を目的をする科学衛星、環境のモニタリングなどのための地球観測衛星等々…目的によってさまざまな人工衛星が存在しています。
衛星通信用の人工衛星を例に仕組みを説明させてもらいます。衛星通信とは、赤道上空約36,000kmの軌道上にある人工衛星に向けて地上から電波を送り、人工衛星で電波を増幅させて目的地(地上)へ送る通信システムのことで、船の上、山の頂上など地上で中々電波が届かないところへ電波を飛ばすことができます。
今、地球の周りで現役で活躍している人工衛星は7,500機を超えています。
私たちが地球上のどこにいても連絡を取りあうことができるのは、人工衛星があるからなんですね。

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2. 人工衛星にヒートシンク?なぜ必要なの?

では、人工衛星と当社のヒートシンク(放熱基板材料)はどのように関わっているのでしょうか。
実はヒートシンクは、人工衛星とその電波を受信する地上のトランシーバーに搭載されています。
この記事を読んでいただいている方は既にご存知かと思いますが、ヒートシンクにはトランシーバー内で熱を発生させる半導体素子などから、熱を逃がす役割があります。人工衛星と地上トランシーバーに使用されるヒートシンクのサイズは3cm×2cmなどの小さなものです、それぞれに対してヒートシンクは1つ以上搭載されています。
人工衛星、その電波を受信するトランシーバーは24時間常に広範囲での通信を行っているので、多くの熱エネルギーを発生させます。その発生した熱エネルギーを効率よく放散させるためにヒートシンクが使用されているのです。
また、人工衛星だけでなく地上トランシーバーも簡単に修理や交換が出来ない場所で活躍している場合がほとんどですので、長期間安定して稼働するよう、これら装置には高い信頼性が求められています。
もしヒートシンクが使用されていなかったら、発生した熱エネルギーがたまってしまい、装置自体が故障してしまいます。
人工衛星・トランシーバーには、一般的には熱伝導率が高い銅製のヒートシンクが用いられていますが、近年では銅の信頼性が問題視され、銀ダイヤモンドヒートシンク等の、より高性能なヒートシンクが注目されています。銅以上に熱伝導率が高く、周辺材料との熱膨張の相性が銅よりも良いと評価されたためです。

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3.まとめ

今回のお話はいかがでしたか?
テレビをみたり、携帯電話で通話をするという何気ない生活を私たちが送ることができているのは、実は人工衛星たちが頑張ってくれているおかげなのです。また、航空機や船舶などの長距離輸送システムを支えているのも人工衛星です。その陰でヒートシンクが活躍していることも覚えておいていただけたらと思います。

今回扱った銀ダイヤモンドヒートシンクを含む次世代ヒートシンクについて気になる方は、下のボタンをクリックくださいね☺

【執筆 K】