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車のヘッドライトとモリブデンるつぼについて

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モリブデン/ 2018/10/31


皆さんは車に普段乗りますか?
近年、車のヘッドライトは、従来と比較して長寿命なLEDライトが使われています。
今回はそのLEDの基板となる"サファイア"と当社製品"るつぼ(容器)"のお話です。

1.LEDってそもそも何?

LEDとは、発光ダイオード、light emitting diodeの略称で、電流が流れると発光する素子のことです。(素子:最小単位のパーツ)この記事で紹介している車のヘッドライト部分以外にも、様々な場所でLEDは活躍しています。例えば、町中の街灯、綺麗なイルミネーションから、そしてパソコン・テレビ・スマートフォンまで、幅広く活用されています。
構造としては、右の図のように何層にも重なっており、上からp層・発光層・n層と呼ばれる層があり、最後の基盤としてサファイアの層があります。
LEDは従来の蛍光灯などと比較して、沢山の長所があげられます。例えば、長寿命な点や、視認性が良好で、屋内外問わず色々な場所で使うことが可能な点などです。その特性から、雨などの視界が悪い環境下でもライトがしっかりと目で確認できるように、車のヘッドランプにはLEDが使用されています。

LEDの構造.png

2. 何でサファイアが使われているの?

先ほどのお話で、LEDは何層にも重なっていて、一番下にサファイア基盤があるということをご説明しました。
では、なぜサファイアが使用されているのでしょうか。一般的にサファイアとは、宝飾用として使われているイメージかと思いますが、実は人工的に製造された人工サファイアというものがあり、工業用途でも活躍しているのです。
サファイアは、光をよく通し、とても硬く、熱に強く、熱伝導率が高い(早く熱を逃がす)という特性を持ちます。この特性から、点灯速度が速く、高寿命なLEDの基盤として採用されているのです。


サファイア

3.るつぼって?容器なの?

では、るつぼはどのような面でLEDライトに関わっているのでしょうか。
先ほど、工業用途の人工サファイアがあるとお話ししました。実は、るつぼはそのサファイアを製造するための容器のことなのです。
サファイアは、原料のアルミナ(酸化アルミニウム)を、2000℃以上の高温で溶かすことによって製造されています。そのため、高温下でも耐えることができる、高融点なタングステンやモリブデン製のるつぼ(容器)が活用されているのです。
サファイアの使用用途によって製造方法が異なり、種となる結晶を坩堝に入れて成長させて大きなサファイアの塊(インゴット)を製造する方法や、毛細管現象でるつぼから板状のサファイアを製造する方法など、様々です。

タンモリるつぼ
 

4.まとめ

今回はヘッドライトなどで使用されるLEDライトとそれを陰で支える当社製品"るつぼ"のお話でした。
陰ながら当社の製品が皆さんの身の回りの生活を支えていること、少しでも覚えて頂けたら嬉しいです。
また次回の話も楽しみにしていてください。

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