
このたび、当社の製品「タングステンモノブロック」が、科学雑誌Newton別冊『実用化に向けて期待が高まる、夢の次世代エネルギー 核融合 最前線』に掲載されました!
本号は核融合エネルギーを利用した「核融合発電」を特集しており、2024年7月3日に発売されました。
掲載された記事では、国際熱核融合実験炉(ITER)プロジェクトにおける当社製品の重要性、当社のものづくりへの取り組み、プロジェクト始動当初から開発に携わった技術者の想いなどが紹介されています。
1.核融合発電とは?安全なの?
核融合という言葉から核分裂(原子力発電)を連想される方も多いかもしれませんが、核分裂と核融合は全く別のものです。核融合発電は、「枯渇しない燃料」「高いエネルギー効率」「優れた安全性」という三つの要素により、「持続可能で安全なエネルギー源」として期待されています。
したがって、核融合発電は危険なものではなく、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決する、持続可能で安全な発電方法といえます。
ITER イメージ図
2. ITERプロジェクトとは?
核融合発電の開発は1940年代に着手され、長年の研究を経て、ついに「実験炉」の段階に到達しました。
この実験炉は、発電能力を実証する「原型炉」の前段階に位置づけられます。この実験炉が「ITER(イーター)」です。
ITERは当初、「国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor)」の頭文字を取った略称でしたが、現在はラテン語の「道」を意味し、核融合実用化への道・地球のための国際協力への道という願いが込められています。
また、ITERの建設はフランスのサン・ポール・レ・デュランスで進められています。
ITER建設現場
3.タングステンモノブロックの役割と当社の技術力
当社の「タングステンモノブロック」は、ITERの「ダイバータ」という部分に使用される部品です。
核融合反応は1億度を超えるプラズマの中で起こりますが、ダイバータはこのプラズマを維持する上で不要な不純物を排出し、除去する機能を担う重要な部品です。
ダイバータの表面温度は最高で2300度に達しますが、その温度でも優れた耐熱衝撃性を有する当社のタングステンモノブロックはITERの安定運転に不可欠な役割を果たします。
ダイバータ
当社は原料粉末から最終製品まで一貫生産を行い、高い信頼性を誇る製品を提供しています。徹底した管理による品質の高さが功を奏し、当社のタングステンモノブロックはITERの基準を大幅に上回る3倍の熱負荷試験にも耐えることができました。そして「割れないタングステン」として、世界に先駆けてITERプロジェクトに採用され、将来のエネルギー問題解決に向けて大きく貢献しています。
4.おわりに
ITERの運転は核融合発電の実用化に向けた重要な一歩となります。
当社は引き続き、高性能材料の研究開発を進め、持続可能なエネルギー技術の発展に貢献していきます。
今回のNewton誌への掲載により、当社の技術力と社会への貢献に対する取り組みを広くお伝えできたことを誇りに思います。
未来のエネルギー技術である核融合発電の詳細については、ぜひNewton誌をご覧ください。
参考情報
Newton別冊『核融合 最前線 実用化に向けて期待が高まる、夢の次世代エネルギー』は、全国の書店およびオンラインにて販売中です。公式ページはこちら→
(https://www.newtonpress.co.jp/separate/back_engineering/mook_240703_1.html)
当社製品に関するお問い合わせは、当社ウェブサイトのお問い合わせフォームよりお願いいたします。
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