株式会社アライドマテリアル

脱炭素を実現できる有力候補の一つである、核融合エネルギーの科学的および技術的実現性を実証することを目的とした ITER計画が国際的プロジェクトとして進められています。ITER の構成機器のうち、2,000℃を超える超高温に晒されるダイバータにはタングステンが使用されます。ITER の安定した運転を可能とするために、高温加熱および冷却のサイクルを受けるタングステンには優れた耐熱衝撃性が不可欠です。
それらの要求に応えるため、アライドマテリアルは高温加熱による再結晶粒の成長を抑制したタングステン材を開発しました。この開発材からダイバータ小型試験体およびプロトタイプ用のモノブロックを製作し、核融合炉を模擬した熱負荷試験にて性能を評価した結果、過酷な条件下においても割れが発生することはありませんでした。特に、プロトタイプの評価結果は ITER機構の要求を大きく上回り、当社の開発材が世界に先駆けて“熱衝撃に強いタングステン”として評価されました。

当社は粉末から加工製品まで一貫生産しています。その強みを生かし、自社で何度も試作を繰り返すことで、新しい素材である”熱衝撃に強いタングステンモノブロック”の開発に成功、世界から高い評価を得ています。また、量産対応のためロボットやIoTを活用した新ラインを立ち上げ、高効率生産・品質管理強化を実現しました。