高融点金属(タングステン・モリブデン)及び
ダイヤモンド工具の技術情報サイト

 
 
 >   > カテーテル治療とタングステンの関係

カテーテル治療とタングステンの関係

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
タングステン/ 2018/11/14

皆さんはカテーテル治療をご存知でしょうか。
カテーテル治療とは最先端医療の一つとされ、心臓の血管がコレステロールなどによって詰まったり、狭くなることで起きる心筋梗塞や狭心症などの疾患など、様々な病気の治療に用いられています。

1.カテーテル治療ってどんなもの?

先ほど、心筋梗塞や狭心症などの病気の治療法として活用されていると説明しました。従来、そのような病気に対する治療法としては、開胸する大がかりな外科手術(冠動脈バイパス術)が一般的で、大きな痛みが伴うため患者の負担はかなり大きいものでした。しかし、カテーテル治療はそのような従来の常識を覆す、痛みが少なく、かつ患者への負担が小さい最先端の治療法として近年注目を浴びています。その治療法とは、主に脚の付け根、手首、肘などにある動脈からカテーテル線と呼ばれる直径2mmほどの細い管を挿入し、血管の詰まった箇所など病変部まで到達させて、風船(バルーン)で拡張することで治療する方法です。血管より挿入したカテーテル線の先端を心臓の近くまで進め、造影剤という薬品を注入して心臓をX線で撮影し、治療をします。管を血管にいれて治療をするため、外科手術をして開胸する必要がありません。
そのため、痛みが少なく、早期の社会復帰が可能で、経済的負担も軽いことがメリットとしてあげられます。

血管.jpg

2. カテーテル治療にタングステンワイヤー?なぜ必要なの?

先に触れたように、カテーテル治療の際に、X線を投射することによって心臓を撮影するのですが、その撮影した画像の質を上げるためにタングステンワイヤーは使用されています。
このブログを見て頂いている方はすでにご存じかと思いますが、タングステンの特徴の一つに "高比重(高密度)"があげられます。タングステンは比重が19.3、金属の中で最も重く、放射線の遮蔽力が高いことで、手荷物検査の遮蔽カーテン、X線医療用の遮蔽ジャケットなど様々な分野で活用されています。今回の話のカテーテル治療においては、カテーテル線の内部に非常に細いタングステン製のワイヤーが使用されています。カテーテル用のワイヤー線径は20~30μmほどになります。髪の毛が60~80μmほどなので、皆さんの髪の毛よりも細いです。
カテーテル線はX線を投射することによって心臓を撮影するのですが、X線の遮蔽力が悪いと映像の画質が悪くなり何も写りませんが、遮蔽力が高いタングステン製のワイヤーを使用することでX線をしっかり遮蔽し、映像の画質を高め、細部にわたってより正確な治療をすることができます。
また、比重・密度が高いタングステンは、少量でX線を遮蔽することが可能なため、カテーテル線の細線化にも貢献しています。

tungstenwire

 

3.まとめ

今回は最先端のカテーテル治療とそれを支えるタングステン製のワイヤーのお話でした。
このような最先端医療の現場においても、当社の製品が陰ながら皆さんの健康を支えていること、少しでも覚えて頂けたら嬉しいです。
また次回のお話も楽しみにしていてください。
media_tungsten_15.jpg

当社のタングステンワイヤーについてもっと知りたい方は、下のボタンをクリックしてください。

メルマガ登録で役立つ最新情報をCHECK!!