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様々な分野で活躍する超硬合金製金型

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超硬合金/ 2019/07/18

ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ超硬合金。その特長を活かして、私たちの身近な製品の製造で活躍している超硬合金製金型について、少しご紹介します。

1.用途に応じた超硬合金材ラインナップ

一般的に、超硬合金(以下、超硬)はタングステンカーバイド(炭化されたタングステン、以下、WC)という硬い材料とコバルト(Co)という材料の組合せで作られます。WCの割合を多くすればより硬くなり、少なくすれば靭性が向上し割れや欠けが発生しにくくなります。さらにWCの粒の大きさを細かくすることでも硬度があがります。コバルトをやめて(もしくは少量にして)、代わりにニッケル(Ni)やクロム(Cr)を入れることで、耐食性(酸化や腐食しにくい)や、非磁性の特長を持つことができます。

2. 金型利用例

鉄やアルミ板の曲げ、絞りといった金型には一般的なWC-Co基の超硬合金が多く用いられます。飲料缶などのより薄肉の絞り加工で大量生産(つまり寿命重視)の場合には、Coを少なくした、より高硬度な超硬合金が用いられます。極限までにCoを少なくしたものを、バインダレス超硬という場合もあります。
車部品のギヤなど鍛造技術によって作られるものや、コインなどの外径を強制的に寸法強制する場合に用いられる金型には、耐衝撃性の高いCoを多く含んだ超硬合金が使用されます。
ほかには、磁石の粉末成形金型は非磁性のもの、成形時の冷却用に水分が常にかかるような場面には耐食性の高いものが必要になるため、WC-Ni-Cr基の超硬合金が使用されます。

3.まとめ

これからも益々活躍の場が広がると期待されている超硬合金製金型。より良い超硬合金の生産に寄与できるよう、材料開発に尽力してまいります。また次回のお話も楽しみにしていてください。



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