高融点金属(タングステン・モリブデン)及び
ダイヤモンド工具の技術情報サイト

 
 
 >   > 超硬合金の様々な材種

超硬合金の様々な材種

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
超硬合金/ 2018/06/19

超硬の組成はWC-Coだけじゃないんです、っていうお話しです。用途に応じて組成を色々と変えてきたという歴史をご紹介したいと思います。

1.超硬の組成について

レーザー脱毛について
超硬(超硬合金)の一般的な組成は、WC(タングステンカーバイド)とCo(コバルト)です。
でも、それ以外の組成の超硬も作られていることはご存知ですか。

WC(タングステンカーバイド)は主成分なので変えられませんが、Co(コバルト)ではなく、Ni(ニッケル)やCr(クロム)と組み合わせることもあるんです。

それ以外にも、TiC(チタンカーバイド)を添加した、WC-TiC-Coなどの組成もあるようですね。

2.組成の違いによる特長

組成の違いによる特長
WC-Coの組成は、とても相性がよく、高い硬度と抗折力を生み出すため、刃物等の長寿命化に適しています。
ただし、Coは比較的酸化しやすいため、高温高湿環境下では腐食が進むため短寿命に終わる場合もあります。
そのような環境下では、軽負荷であればCoの配合を少なくする、又は、WC-NiやWC-Ni-Crの組成へ変更することで耐食性を向上させることがきます。

あと、磁気を気にする環境下でも、WC-NiやWC-Ni-Crの組成への変更が有効になる場合があります。

3.超硬の様々な用途について

WC-Coの組成で、WCの比率が多いもの(Coの比率が小さいもの)は、より硬度が高くなるが衝撃に弱くなるため軽負荷の切削に向き、WCの比率が少ないもの(Coの比率が多いもの)は、逆に硬度は少し下がるが衝撃に強いため鉱山用工具等の比較的衝撃の高い切削に向いていると言えます。

ちなみに、WCの比率を極限に近いほど多くし、WCの粒径も小さくしたものは、優れた切れ味の刃物となり、プリント基板の穴明け等のマイクロドリルに使われています。

WC-NiやWC-Ni-Crの組成のものは、耐食性が求められる製造ラインの治具等で活躍しています。

4.まとめ

長年の歴史の中で、様々な組成の超硬が開発されてきたことが解ります。
これからも世の中で活躍が期待される超硬のために、弊社は原料であるWCの製造・開発を頑張ってまいります。

メルマガ登録で役立つ最新情報をCHECK!!