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液晶用スパッタリングとタングステン・モリブテンの役割(テレビ・モニター編)

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モリブデン/ タングステン/ 2018/07/27

テレビと言えば「ブラウン管テレビ」と言う人は、ほとんど少なくなりました。昭和生まれの人(私)にとっては、ちょっと寂しい感じですが 今回 「実は ここにも…」シリーズの中から「液晶テレビ(モニター)」に タングステン・モリブデンが使われている事をご紹介いたします。

1.液晶テレビってどんなもの?

液晶テレビってどんなもの?
なるべく難しい話はしたくないのですが、ちょっとだけ。液晶とは、個体と液体の中間状態を指します。この液晶は自然界に普通に存在していてタコとかイカなどに多く含まれているそうです。
その昔、液晶に染料を混ぜて2枚のスライドガラスの間に挟み、電圧をかけるとセルの色が赤から無色に変わる現象を発見した人がいて、これらの難しい原理を応用してディスプレーにしたのが液晶テレビです。
小型化、薄型化、軽量化そして消費電力の少ないテレビ(モニター)として 2005年頃から、爆発的にが普及しました。
日本の技術はすばらしく、1973年にシャープが世界初の液晶電卓を開発した事が基礎になって、現在の液晶テレビが誕生しました。

2.スパッタリングてなんだ?

スパッタリングてなんだ?
世界中のすべての液晶ディスプレイの80%は「TFT液晶方式」と言われてます。TFTとは 薄型トランジスターという半導体のことで、それぞれの画素にスイッチとメモリーの両方の機能を持っていて、簡単にいうと高画質の画像がつくれる方式です。
そのTFT薄型トランジスターをつくる時、電極材や配線材として アルミ材、銅材、タングステン材、モリブデン材などが使われています。
電極材や配線材は、スパッタリング方式でつくられます。難しい説明は省略しますが、大きな基板全体を短時間で均一に成膜する方式です。

3.タングステン・モリブデン? なぜ 使われるの?

スパッタリングてなんだ?
皆さんは、これまで電化製品の後ろや脇を触った時「熱い!」と感じた事はありませんか?
極端に言うと電気が流れる所は熱が発生しやすく、それを利用したのが、電気コタツやアイロン、電気ストーブ、ドライヤーなど たくさんあります。熱くなってほしい所ではよいのですが、テレビは違います。先ほど説明したTFTの電極や配線もあまり熱くなっては 故障の原因になるので困ります。テレビ(モニター)の薄型化が主流となり、それに伴い配線材も薄くなって、ますます発熱しやすい環境になりました。
そこで熱(高温)に耐える事ができて、変形しにくい材料は何か? タングステンやモリブデンが電極材や配線材として使われるようになりました。

4.まとめ

スパッタリングてなんだ?
タングステン材やモリブデン材は、金や銀と同じく希少金属と呼ばれています。金や銀と違い、指輪やネックレスなどの用途は少なく華やかではないのですが、身近なテレビの中で目立たないけど、一生懸命がんばっています。
アライドマテリアルは、そんな陰で支える材料をたくさん創っている会社です。
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