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モリブテンの加工性(ヘラ絞り加工)

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モリブデン/ 2018/07/27

モリブテンは、同じ高融点材料であるタングステンに比べて、とても加工性が良い材料として知られています。
その特性を活かした製品を少しご紹介したいと思います。

1.ヘラ絞り加工について

ヘラ絞り加工について
東京大田区の工場で、パラボラアンテナを作っている映像をテレビで見られたことはないでしょうか。
金属の塊を回転させながら徐々に薄く、径を大きくしていく、ヘラ絞りという加工方法です。
通常、金属加工というと、切ったり、削ったりと、どうしても材料ロス(削りカス)がでるのすが、ヘラ絞りでは殆ど材料ロスもなく、とても大きな製品(パラボラアンテナだと約4mの直径まで  作れるそうです。)ができるのもヘラ絞りの特長です。

2.モリブテンのヘラ絞り製品

モリブテンのヘラ絞り製品

高融点材料であるモリブテン(融点:2,620℃)は、様々な焼成用のトレイ(敷板)に使用されています。
カップ状の製品を作るには、切削加工(刃物で削っていく方法)が一般的なのですが、材料ロスが製品コストに大きく影響する、直径が大きく、底が深いカップ状製品等の場合は、ヘラ絞りを採用することがあります。ちなみに、同じ高融点材料であるタングステン(融点:3,410℃)は加工性があまり良くないために、ヘラ絞りができません。

最近ではLED照明などが広く普及されてきましたが、そのLEDの中には人工的に作られたサファイアが入っています。そのサファイアの製造(高温下で成長)に、ヘラ絞りで製作した弊社のモリブテン製品(るつぼ)が活躍しています。

3.まとめ

タングステンはモリブテンに比べて更に融点が高い材料ですが、それほど高融点を求めない場合には、モリブテンを優先して検討してみてください。加工コストも抑えることができ、重さも軽くできる可能性がありますよ。

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