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ゴルフボールにタングステン

タングステン/ 2018/06/19

ゴルファーの皆さんはやはりボールの飛距離が気になりますよね。そのため、ゴルフボールはさまざまな進化をしてきています。その進化の過程で、タングステンが大きな役割を担っています。今回は、ゴルフボールでのタングステンの役割についてお話します。

1.飛距離を伸ばす要素

ボールを遠くへ飛ばすための要素は、ボールの「初速」「打ち出し角度」「回転」の三つです。初速はボールを打ったときに飛び出すボールのスピードです。角度は、野球のボールと同様に40度近辺で最も飛距離が出るといわれています。回転は、適度なバックスピンがかかることで揚力を与え飛距離を伸ばします。ただ回転が多すぎると吹き上がり飛距離ににマイナスに作用することがあります。

2.ゴルフボールに求められるもの

ゴルフボールに求められるもの
ゴルフボールの飛距離を伸ばすために反発力を高め、適度な回転を与えることを目指し、ボールの開発が進められてきました。回転に関していうと、こまの例が良くわかるかと思います。軽いこまはまわしやすいですが、重いこまは回しにくいことから、重心が外側にある方が回転しにくいことが解ります。そのため、外側を重くしたゴルフボールが開発されました。重いボールの方が風の影響を受けにくいというメリットもあります。しかし公認球の規定では制限が設けられています。その範囲の中で、できるだけ外を重く、内側を軽くしてやるとドライバーショットで余分な回転がかからず飛距離が伸びます。

3.タングステンの役割

前項で述べましたが、外側を如何に重くするかという課題に対し、比重が非常に重いタングステン粉末が使用されるようになりました。この粉末を練りこむことにより、外側の重量を重くしたメタルミックスというボールが開発されました。あまりなじみの無いタングステンという金属ですが、このような身近なところで隠れた威力を発揮しているのです。

4.まとめ

ゴルフボールのお話はいかがでしたか?

今回は、タングステンの比重が高い、重い性能を生かした紹介をさせていただきました。タングステンには他にも融点が高いという特性もあり、耐熱を求められるところ にも使われています。次回はその点を利用した用途についてご紹介させていただきます。

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