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タングステン入り釣ルアー

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タングステン/ 2018/09/12

タングステンは鉄に比べ2倍以上重く(高密度、高比重)、環境に優しい金属です。  
その特長を活かし数年前から釣のルアー錘としてよく使われるようになっているようです。  
今回はそちらを少しご紹介したいと思います。

1.釣のルアー錘に求められる要素について

  ルアーには、ポッパー、スピンテールジグ、ミノー、スプーン、ワームなどの種類がありますが、  
 水面の近くを走らせるために軽くて浮力があるホッパーを除き、水中や水底を狙うルアーが多いです。  
  
 釣果を上げるテクニックには様々あると思いますが、一つには手返しを多くする、つまり  
 より多くキャスティングすることが重要になってきます。  
  
 では、より多くのキャスティングをするにはどうすればいいのでしょうか。  
 ルアーが着水してから狙った層まで沈む時間が短くなれば、その可能性は高くなります。  
  
 水の抵抗を減らして沈む速度を上げるには、その個体(ルアー)の密度を高くすれば効果的です。  
 錘としてよく使われる鉛をタングステンに変えてみると、ルアーの重さが同じでも体積を減らすことができます。  
 つまり同じ重さだけど、スリムなルアーに設計変更でき、結果、水の抵抗が減ることで早く沈むことになります。  
  
 一方、鉛が直接水に触れない限り汚染されることはないのですが、ルアーが破損したり、  
 糸が切れてルアーが水中に沈み、長時間経過して腐食が進み鉛部分が水に触れる事も  
 少なからずあるので、その時には汚染が進む可能性があります。  
 そのような場合でも汚染の心配がないのがタングステンなのです。  

2.タングステンの錘例

  ルアーの中にタングステンを埋め込む方法は何通りかあります。  
 タングステンを所定の大きさに加工して埋め込む方法や、タングステン粉末と少量の樹脂を入れて  
 固めたものを埋め込む方法が多いようです。  
  
 中には複雑なアクションをさせるために、ルアー内部の空洞部分でタングステン粒が移動できるように  
 したものもあるようです。  

3.まとめ

  鉄の2倍以上、金と同じ比重(密度)を持つタングステンを使うと考えると、世の中の「軽量化」  
 の流れに逆行しているイメージが強いのですが、実はスリム化にとても有効な材料なのです。  
 また、私たちをワクワクさせてくれるアイテムで活躍し、環境にも優しい材料なのでした。