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超硬合金の特徴

超硬合金とは

超硬合金とは、広い意味では周期律表のⅣa、Ⅴa、Ⅵa金属の炭化物、窒化物または炭窒化物等の硬質粒子を鉄系金属で結合した複合合金を示します。特にWC-Co系合金が諸特性に優れているため広く用いられ、一般的には超硬合金=WC-Co系合金と理解されています。1)

特徴1高い硬度

高い硬度

タングステンと炭素が結びつくことで非常に硬度が高くなり、耐磨耗性に優れます。

特徴2高い強度

高い強度

抗折力(曲げ強さ)が高く、曲げ方向の力に対する信頼性が高いです。

特徴3高い剛性

高い剛性

ヤング率(曲がりにくさ)が高く、剛性に優れます。

超硬合金の歴史

現在の超硬合金の歴史は1890年代にさかのぼりますが、現在の製法の基礎は、1923年にK. Schroterによって確立され、WとC(炭素)の粉末を水素雰囲気で炭化してWCをつくり、更にそのWCにCo粉末を加えて焼結するものでした。1926年に独のFriedlich Krupp社がこれを基に超硬合金を工具として工業化し、Widia(Wie Diamant=ダイヤモンドの如し)の商品名で発売開始しました。1928年米国のGeneral Electric社が商品化、日本でも1928年頃から東芝、住友電気工業、三菱金属各社で独自に研究され、工業化を進めました。その後、鋼の切削にはFeと反応しにくいTiC,TaC,NbCなどを添加した合金が適していることが判明、1931年にはKrupp社から(WC-10%TiC-6%Co)合金が発売され、工具としての超硬合金の基礎が確立されました。

その後、WC-Co2元系ではWCにVC、TaC等の微量添加による粒度調整技術が研究され微粒超硬合金H種が1929年に登場、また粗粒WCとCo量増加による高靱性合金が開発され1932年には15%Co合金が生まれました。現在では、超硬合金に様々な改善が加わり、切削、耐磨耗、耐衝撃、鉱山用工具等に用いられています。近年では超硬合金の表面に化学蒸着(CVD) 法、物理蒸着(PVD)法により硬質膜を被覆する手法や、被覆専用超硬合金の開発が進み工具として飛躍的に進歩しました。1)

超硬合金の特性(WC-Co系代表例)1)
組成(mass%) 密度
(Mg/m3
硬度
HRA
抗折力
(GPa)
ヤング率
(GPa)
熱伝導率
(W/m・K)
WC Co
100 15.7 92-94 0.3-0.5 720
97 3 15.1-15.2 90-93 1.0-1.2 668 88
95 5 14.8-15.0 90-91 1.6-1.8 620 80
90 10 14.3-14.5 88-90 1.5-1.9 584 71
85 15 13.8-14.0 86-88 1.8-2.2 548
80 20 13.1-13.3 83-86 2.0-2.6 500
75 25 12.8-13.0 82-84 1.8-2.7 467
70 30 12.3-12.5 80-82
100 8.9 179 71
1)超硬工具協会:超硬工具ハンドブック, 1988